手を当てるとグイっと押し、耳をお腹に当てると音は水の中の様。
おなかの中に広がるプールの中で自由に動き回っているのが分かる。
でもその動きのひとつひとつは気楽なもんじゃないとも思う。
だって僕らの分身はこのおなかの中で今日初めてやる動き、
初めて聞く音、初めて感じる感触との出会いが、今この瞬間も溢れているんだもの。
一つでも欠ければ人として機能しない可能性だってあるわけで、
それをひとつひとつ40週かけてやってくんだものなぁ。
僕ではない、でも僕との繋がりが確実にある存在がおなかの中から
僕を、その感じる動きだけで勇気づけてくれる。
僕の中では今は大きいと思える選択やトラブルも
お腹の子のやっていることと比べれば大変なことでもないかもしれないね。
お腹の中にいる僕らの宝物は大切なことをたくさん教えていくれる。
なんだかね、今しっかりと取り組むものをこの先ずっとやってゆく気がするのです。
この子が無事にこの世に生まれた日も。
この子が立ち上がるであろう日にも。